寺田寅彦記念室

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寺田寅彦(1878〜1935)。その生涯は科学と芸術が渾然一体となった人格の発露であった。
事物の本質を見抜く直感力は、科学において従来の決定論的な枠組みに入りきれない日常現象に法則性を発見する新しい分野を開拓した。
漱石に文学の才能を見いだされた寅彦の随筆は、科学の観察・発見・分析と、詩人の直観・連想・詩情が渾然と融合され、随筆の世界に新しい分野を切り開いた。


◆それぞれのコーナーにわけて展示構成しております◆

 

<寅彦の生涯>

 寺田寅彦は、幼少時代を故郷・高知で過ごした。二人の姉の婚家別役(べっちゃく)家と伊野部(いのべ)家の人々、特に、同年代で甥にあたる別役励夫(れいふ)、亮(りょう)、伊野部重彦、陟(のぼる)らとの交流は寅彦の人間形成に大きな影響を与えた。
 熊本・五高時代には、その人生を大きく決定づける夏目漱石・田丸卓郎と出会った。
科学者としての経歴は実に多彩で、気象物理、水産物理、地震研究、航空物理など各分野で大きな足跡を残している。
 一方、家庭人寅彦にとって妻を病で二度までも失う悲劇的体験はその後半生に拭いきれない寂寥の影を落とすことになった。

 ※展示・・・自筆履歴書や、寺田家関係系図、妻宛書簡、いちご図ふろしきなど
 


<文学者寺田寅彦>

 漱石らによって文学的才能に開花した寅彦は詩心と科学精神が一体化した古典的作品群を数多く残し、日本文学史の系譜の中に独特の位置を占めた。それは、中谷宇吉郎他、理数医系名文家に引き継がれる。
 叙情的写生文から出発して、大患後は、科学者の目で、近代の語り部のように、現代風景や生活断面を描いた。科学や文学・美術・映画等の評論や、憂国の文明批評や郷土ものにも卓越した文学世界を構成、先見性が光っている。

 ※展示・・・夏目漱石宛書簡・絵はがき、自筆原稿、著作など

 



<科学者寺田寅彦>

 寅彦は、専門の物理学の分野においても多方面の研究を行っている。その研究対象は、
  1 純粋物理学、
  2 防災や水産など社会的に要請された研究、
  3 生活の中の不思議に関するどちらかというと趣味的な研究に大別することができる。
 彼の研究は、余り経費をかけないものが多いが、その着想は素晴らしく、実証を重んじ、実験を繰り返して多くの資料を集め、推理力を働かせる。その科学する態度の根本を貫くものは「創作」であり、このことは文学についても同じであると述べている。

 ※展示・・・五高時代の物理学ノート、中谷宇吉郎宛書簡、タイプライター、論文原稿など

 



<寅彦と芸術>

 寅彦は生涯に油絵約140点、日本画、水彩画など約300点の作品を制作したと推定されるが、油絵による本格的な作画活動は随筆の充実期と同じ大正9年からの病後に集中している。これは研究の第一線を退かざるを得ない孤独と焦燥からの逃避が作画の直接の動機であるにしろ、彼の芸術活動絶頂期の一つの成果であるといえる。
 音楽は大震災後、多忙になった研究生活の中で絵画に代わって終生、寅彦の芸術精神を満たす対象であり、門弟たちや子供たちとの合奏を楽しんだ。

 ※展示・・・油彩画、水彩画、愛用の蓄音機、バイオリン、チェロなど





<寅彦ゆかりの人々>

 文学関係者他、科学関係者、門弟などを紹介

 









<映像コーナー>

 ビデオ映像コーナー「寅彦実験室」では、寅彦が実際に行った実験を再現し、寅彦の才能と実績を紹介します。また、実験にまつわる情景をインサートし、それらの実験が様々な観察によってなされていることが理解できるようになっています。
 ※プログラム・・・「渦巻きの実験」「地滑りの実験」「割れ目と生命」








 

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