昨年末から大雪が続きますね。財団ミュージアムがある高知市・南国市では雪が積もることはないですが、高知県の山間部では積雪することが多いので、高速道路が通行止めになることもあるのです。意外に思われるかもしれませんが、南国高知も雪が降ります、積もります。
さて、2月15日も全国各地で記録的な大雪になりました。雪の被害にあった地域のみなさまにお見舞い申し上げます。
大雪となった15日、ポニーやミニホースが県立歴史民俗資料館(南国市岡豊山)にやってくるというので、いってみました。開催中の「おもちゃの牧場」展の関連企画、馬つながり、ということで・・・。歴民館の中庭にポニーたちが登場、子どもたちは大喜びでポニーに乗ったり、なでたり、と動物たちとのふれあいを楽しんでいました。(動物とふれあうことで癒される・・・アニマル・セラピーというそうです。)本物の馬を見たあとは、おもちゃの馬・・・ということで展示を見に行ったおともだちもいたようです。そのうち、歴民館のキャラクター「もとちか君」も登場!もとちか君は歴民館のイベントはもちろん、各地(県外も!)に出陣していますので、結構子どもには人気があるのです。
午後は今日が初日の「黒井健 絵本原画の世界展」を訪ねて県立文学館(高知市丸ノ内)に行きました。初日ということで、黒井健さんの講演会とサイン会が開催され、多くのお客様が訪れていました。教科書でお馴染みの新見南吉『ごんぎつね』の挿絵(チラシになっています)のように、優しいタッチと色合いの作品が並び、見ているだけで心が和みます。午前中は動物にいやされ、午後は絵画作品にいやされました。
展示室内は写真撮影はできませんが、入口で「ごん」や「ころわん」と一緒に撮影することもできます。(私も撮ってみました。)最近は展覧会会場の外に写真コーナーがあり、記念撮影ができることも多くなっていますので、ぜひご利用ください。(とはいえ、一般に施設内や展覧会での写真撮影は禁止されている場合が多いので、必ず職員等にご確認ください。)
歴民館でポニー?、文学館で絵本の展示?、と聞いて一瞬「?」と思われる方もおられるかもしれません。でも、博物館ってなんか敷居が高そう、難しそう・・・という方には、「はじめの第一歩」を踏み出す、よいきっかけにはなると思います。「はじめてのミュージアム」を楽しんでいただけるよう、財団の各ミュージアムでは展覧会だけでなく、色々な催しや試みを行っています。HPやこの「財団ミュージアム見てある記」でもご紹介していきますので、ぜひ一度おこしくださいね!
(文責 AK)
(写真提供 右・左とも高知県立文学館、2月17日撮影)
(公財)高知県文化財団は、県立美術館はじめ6つの文化施設の指定管理者として管理運営を行っています。古代の遺跡から最先端の芸術文化までが守備範囲!・・・というこの6つの文化施設、それぞれが色々な催しを行っていますが、この「文化財団見てある記」では、総務部某職員が「見て」「聞いて」ときには「体験して」、みなさまに県立文化施設をご紹介していきたいと思います。(不定期です・・・。)
記念すべき第1回目として、2月11日に県立歴史民俗資料館(南国市岡豊山)と県立美術館(高知市高須)に行ってきました。まずは、歴民館で開催中の「おもちゃの牧場」展へ。
歴民館には山崎茂さんからご寄贈いただいた12000点の郷土玩具資料があります。テーマを決めて展示を行っていますが、毎年お正月頃に開催される「干支」のおもちゃ展も山崎コレクションを基にしているのです。
さて、今年は馬年です。長野県の奈良井土鈴の馬の親子を使ったラブリーなポスターを目にした方も多いのではないでしょうか。この奈良井土鈴を始め、全国各地の馬の人形や土鈴などがたくさん展示されています。馬、という単一テーマでもこんなにバラエティがあるのか、と驚かされます。展示を担当した中村学芸員によると、馬のおもちゃは収蔵資料数が多く、同じように干支をモチーフにした郷土玩具でも、蛇や羊は少ないそうです。なんとなくわかる気もしますね。蛇はちょっと怖いし、羊は日本にあまりいなさそうだし・・・。
展示をみるだけでなく、歴民館の展示キャラクター「こうちくん」(なんと馬に扮している!)がクイズを出したり、実際に馬の郷土玩具を触ったりできるコーナーもあります。
さらには、馬帽子をかぶり、馬(の乗り物)にまたがり記念撮影もできます。(私も挑戦してみました。)
現代の生活では、馬は乗馬か競馬、はたまた動物園でしか目にする機会がなくなっていますが、大昔から私達の生活に寄り添ってきた動物です。だからこそ、郷土玩具の数も多いのでしょう。馬と私たち日本人の関わりにも思いをはせた展覧会でした。
★ おもちゃの牧場展は3月9日まで開催中 →詳しくはこちらをクリック
★ 2月15日 ポニーが歴民館にやってきます!→詳しくはこちらをクリック
午後は県立美術館へ。“農民画家ミレー”の魅力をたっぷり堪能できる展覧会「ボストン美術館 ミレー展」が開催中です。会期終了間際には混雑必須!ゆっくり見るなら今でしょ!
ミレー展をみて・・・・と行きたいところですが、今日のお目当ては石元泰博・フォトギャラリー「刻-moment-」展関連企画の講演会《石元作品に現れれる“とき”をめぐって》です。講師は増田玲さん(東京国立近代美術館写真室長)。会場に開演10分前に行くとほぼ満席でした!
(写真提供 高知県立美術館)
「刻」という日本語にあてられた英語がtimeではなくmomentであるのはなぜ?というお話から始まり、落葉、空き缶、雲、雪の足跡、人の流れ、水面・・・と『刻-moment-』で発表された被写体シリーズがいつ頃から、どの順番で撮影されたかを説明され、石元氏の関心が、不変のものから常に形を変えていくものに、変化それ自体に関心を持ったのでは?ということから、「刻」という言葉に、あえて「時」だけでなく「動き」という意味も持つmomentをあてたのではないか・・・、とお話されました。
石元泰博・フォトギャラリー「刻-moment-」入口(写真提供:高知県立美術館)
★石元泰博・フォトギャラリー「刻-moment-」は3月1日まで開催中 →詳しい内容はこちらをクリック
講演会を聞いて―当たり前の感想になりますが、説明を聞いてから再び鑑賞すると見方が変わってきます。もちろん、何の先入観なしに鑑賞するのも楽しく、面白いのですが、少し情報を入れるだけで作品との距離がぐっと縮まる感じがします。
こうした講演会や会場内で学芸員による解説会は県立美術館だけでなく、県立歴民館、県立文学館などでも行われています。参加したことない、という方は一度参加されてはいかがですか?さらに展示を楽しく見ることができると思います。(埋蔵文化財センターでは発掘現場での説明会もたまに開催されています。)
◎講演会や展示解説の日時についてはチラシや各施設のホームページなどでご確認ください。参加は無料の場合がほとんどです。(ただし、施設への入場料や展覧会観覧料が必要な場合もありますので、必ずご確認ください。)
*掲載した写真は記載のあるもの以外はブログ執筆者が撮影したものです。展示室内では施設の許可をいただいたうえで撮影しています。
(文責 AK)
高知県ゆかりの世界的な写真家・石元泰博氏。今日は石元氏の三回忌でした。その多くの作品や資料は高知県立美術館に寄贈され、今年の秋には常設展示室もオープンする予定です。
さて、高知県美が誇るこの石元氏の作品コレクションは、定期的にコレクション展で紹介されています。現在は展覧会「刻(とき)‐momento‐」が開催されています。
ここでは、うつろいゆくもの、滅びゆくものの美しさを、朽ちていく落葉や空き缶、刻々と表情をかえる水面や雲に映し出した写真集『刻(とき)-momento-』(2004年発行)から98点をオリジナルプリントで紹介しています。
ミレー展とあわせてぜひご覧ください。(別料金になります。)
★石元泰博・フォトギャラリー「刻-moment-」のくわしい内容は→こちらをクリック!
【お知らせ】講演会「石元作品に現れる“とき”をめぐって」開催!
講師 増田玲氏(東京国立近代美術館主任研究員、写真室長)
日時 2月11日(火・祝) 14:00~15:00(開場13:30)
会場 1階 創作室3
定員 約50人(入場無料)
午(うま)年にちなんで、県立歴史民俗資料館では「おもちゃの牧場」展を開催中、日本各地の馬のおもちゃが並んでいます。
2月2日にはポニー、ミニホースが歴民館にやってきました!小さいお子様は乗馬もできるとあって、来場者のみなさんは大喜びでした。この日はヤギも一緒、歴民館はミニ動物園みたいになりました。
ポニーは2月15日(土)の朝10時からもやってきます。
★ 「おもちゃの牧場」の詳しい内容は こちら
(写真提供:高知県立歴史民俗資料館)
〈種をまく人〉など、働く農民を力強く描いたフランスの画家、ミレー。今年は彼の生誕200年にあたります。そのメモリアル・イヤーの幕開きともいえる展覧会「ボストン美術館 ミレー展」が高知県立美術館で始まりました。
2月2日、ボストン美術館のマーサ・クローソン学芸員をはじめ、関係者が出席して開展式が行われました。春のような陽気もあって、多数の方が来場、世界屈指のミレーコレクションを堪能されました。
〈種をまく人〉の他、〈羊飼いの娘〉〈刈入れ人たちの休息〉などミレーの名画の数々、トロワイヨンやディアスら、バルビゾン派の名画も並ぶ「ボストン美術館 ミレー展」は4月6日まで開催されます。
西日本での開催は高知だけです。春の高知は観光に最適、「ミレー展」とあわせて高知の春をお楽しみください。
★「ボストン美術館 ミレー展」の詳しい内容はこちら
「ボストン美術館 ミレー展」会場の様子(2月2日)
(写真提供:高知県立美術館)